スピノプス・ステルンベルゴルムは中生代白亜紀後期の北アメリカ(カナダ)に生息していた角竜の1種で、トゲ(スピナ)のある顔(オプス)という意味です。
頭骨の一部しか見つかっていませんが、そこから推定される体長は5.5~6.0mと、やや小型の角竜だと考えられています。
スピノプスは95年間も陽の目を見ることなく倉庫で眠り続けていた恐竜として話題になった恐竜です。
最初の化石発見は1916年、カナダで化石ハンターのスタンバーグ親子によって発見され、ロンドンにある大英自然史博物館に送られました。
しかし、化石が頭の一部しかなく、損傷がかなりひどかったため展示するに値しないと判断され、「ゴミ以外の何物でもない」と言われたあげくバックヤード送りになりました。
その後、2011年になってカナダのロイヤルティレル古生物学博物館が、この恐竜が発見されたボーンベッドを再調査することになったことをきっかけに、新種であることが判明しました。
デューク・ザ・スピノプス(PNSO)レビュー
PVC製で、大きさは長さ約15㎝、高さ7㎝、重さは290gです。
サイズ感は同メーカーの1/35シリーズと同じくらいだと思います。
角や尻尾の先が柔らかく小さいお子さんにも配慮された作りになっています。
しかし、造形自体は子供向けというわけではなく、皮膚の質感や彩色もなかなか細かい出来です。
塗装も茶色っぽい緑色をベースに、グラデーションがかかったマットな彩色になっています。
角竜は特徴的な頭をしていますが、この恐竜はその中でもまた変わった頭をしています。
目の上に2本の小さい角、鼻の上に1本の長い角を持っています。
フリルのてっぺんに真上に向けて2本のトゲと、前方に向けて鉤爪状のトゲが2本生えています。
鉤爪状のトゲは発見された化石では根元から折れており、先端の方は見つかってないため、どのくらいの大きさがあるかはわかりません。
フリルの中央は、骨が空洞になっていることを伺わせるような造形です。
1/35シリーズと違って口は可動しません。
頭の一部以外は化石が見つかっていないので、前足は他のケラトプス類からの推測だと思いますが、ほぼこんな感じの足で間違いないのではないでしょうか。
とても躍動感がある前足をしていて、走っている感じがよく出ています。
頭を下げているので敵を威嚇しているか、あるいは同種とナワバリやメスを巡ってケンカをしている様子がイメージできます。
胴体がやや大きめな印象です。
下から見るとおじさんのビール腹のようです。
丸々と太ってます。
横腹は血管やシワ、大きめコブなどが造形されていますが、背中の上の方に行くにつれてコブだけになり、少しツルツルした感じになります。
背中は羽毛があったかはわかりませんが、このフィギュアはウロコで表現されています。
角竜の尾は短めで、背中から続くコブが表現されています。
このフィギュアは体に対して尻尾を90度以上曲げています。
こんなに動きのある尻尾も珍しいです。
箱はフィギュアの写真、イラスト、注意事項などが書かれています。
新品で買いましたが、中国製は相変わらずシワやカドの折れが多いです。
解説書は英語と中国語の2ヶ国語のみ対応。
発見から命名までの経緯などが書かれています。
おわりに
スピノプスのフィギュア(デューク・ザ・スピノプス)でした。
マニアックな恐竜が出ていたので見かけたときには驚きましたね。
PNSOは中国のメーカーなので中国産のマニアックな恐竜フィギュアはいくつか出ていましたが、外国産恐竜のマイナーどころも出すようになってきましたね。
角竜好きの私にとっては嬉しいかぎり。
この調子でスティラコサウルスやディアブロケラトプスのような変わった姿の角竜を作ってほしいところです。
お値段は3,000円弱で、私としては値段に釣り合うくらいのフィギュアになっていますが、小さい割には高いと感じる人もいるかもしれません。
パポの恐竜フィギュアの価格や質感に近いと思いますが、パポは皮膚などのビジュアルをカッコよく誇張し過ぎていたりするので、私は割と生き物を忠実に再現しようとするPNSOの方が好きだったりします。
ただ、PNSOも小さくて(1000円くらいの)安いやつはそれなりの精度なので、今回のサイズくらいのフィギュアの質はどうなのかちょっと心配でした。
でもまあそんなことは杞憂でした。
造形、色使い共に手間がかかっていてよく出来たフィギュアだと思います。
アマゾンで割と常時売っていたりするので、珍しい恐竜好きは買ってみてもいいんじゃないでしょうか。
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