2019年7月13日(土)〜8月25日(日)に鹿児島市の黎明館(れいめいかん)で開催された大恐竜展2019に行ってきました。
実際に足を運んだのは最終日の8月25日(日)、閉展が近い15時くらいにバタバタ入場です。
入場時の混雑はそれほどでもなく、10人程度入り口に並んでいたため2〜3分待ちましたが、想像していたよりはすんなり入れました。
しかし、会場内は人が多く混雑していましたね(特にティラノサウルスのところ)。
部分的な化石を含めると展示数も豊富で、全てではないですがたくさん写真が撮れたので順に恐竜たちをご紹介したいと思います。
ヘレラサウルス
中生代三畳紀のアルゼンチンに生息していた全長3mの肉食恐竜で、最古の獣脚類の1つです。
こちらは復元模型。
この後のスーパーサウルス、アロサウルス 、ステゴサウルス は部分化石の展示です。
スーパーサウルス(頭骨)
標本の頭骨は大きさ1m。
全長は33mにもなる最大級の竜脚類です。
口の先端に串のような歯が見えていますが、これで木の葉をすくように食べていました。
アロサウルス (頭骨)
フィギュアも何度かレビューしているアロサウルス の頭骨です。
標本長は52㎝あります。
ステゴサウルス(頭骨・スパイク)
ステゴサウルスの頭と尻尾のトゲの化石です。
トゲは50㎝ほどあります。
次のグアンロンやインロン、ユウティラヌスは生体復元がジオラマで展示されていました。
グアンロン(生体復元)
ジュラ紀後期の中国に生息した最古のティラノサウルス類です。
全長は3mで、鼻から額にかけて発達したトサカ状の突起が特徴的。
あとで出てくる原始的なティラノサウルス類のディロンに羽毛があったので、グアンロンにも羽毛があった可能性を指摘されています。
インロン(生体復元)
グアンロンと同年代の地層から発見された1.2mの角竜で、2004年に発見されました。
そういえば、フェバリットソフトモデルにも「グアンロンvsインロン」がありました。
そのうちレビューします。
ディロン(生体・骨格復元)
グアンロンに次いで古いティラノサウルス類で、1.2mしかありません。
顎の骨と尾椎骨に羽毛が見つかりましたが、これはティラノサウルス類としては初の発見でした。
ユウティラヌス(生体復元)
羽毛のある肉食恐竜として最大なのが2012年に発見されたこのユウティラヌス です。
白亜紀前期の中国に生息していて、全長は9mにもなりますが、この復元は6m程度の大きさです。
顔と足以外はかなりフサフサの毛で覆われています。
次は国立科学博物館の恐竜博2019の目玉にもなっているデイノケイルス 。
デイノケイルス (上腕)
今年の科博で全身骨格が展示されているデイノケイルス の腕だけの展示です。
これまで2.4mにもなる腕だけが発見されており、長い間姿は謎の恐竜でした。
最近になって全身骨格が発見され、全長11mにもなるダチョウ型恐竜である事がわかりました。
アリオラムス
全長は6mで小型〜中型サイズの原始的なティラノサウルス類です。
白亜紀後期のモンゴルに生息していました。
この恐竜は展示恐竜の中で唯一、きょう膜輪と呼ばれる目の骨があります。
この部分は全ての恐竜に存在したと考えられていますが、もろいためなかなか化石に残りません。
大きな目を保持・固定するのに役立ちますが、人間のように目玉をキョロキョロ自由に動かすことはできませんでした。
タルボサウルス(頭骨)
アジアのティラノサウルスと呼ばれる大型肉食恐竜のタルボサウルスです。
ズケンティラヌスが発見されるまではアジア最大の肉食恐竜でした。
頭骨長は93cmあります。
ティラノサウルスよりはふた回りくらい小さいです。
横から見るとティラノサウルスの頭骨によく似ていますが、後ろから見るとタルボサウルスの方が細いようです。
ヴェロキラプトル(頭骨)
映画でおなじみラプトルの頭骨です。
標本長は25㎝で、映画ジュラシック・パークで見るイメージよりほっそりした頭をしているように思えます。
まあ、映画のラプトルのモデルはデイノニクスなので、ヴェロキラプトルでは無いのですが。
ドロマエオサウルス(生体復元)
白亜紀後期のカナダに生息した、約2mの小型肉食恐竜です。
ヴェロキラプトルやデイノニクスに近い恐竜で、足に大きなかぎ爪を持っています。
ススキティラヌス
2019年に記載された新種のティラノサウルス類で、大きさは2.3mと小型。
発見された標本は研究の結果、幼体であると考えられています。
白亜紀後期(9200万年)の北アメリカに生息していましが、ウズベキスタンのティラノサウルス類であるティムルレンギア(9000万年前)と近縁で、ティラノサウルス類の進化を紐解くうえで重要な恐竜と考えられています。
ズニケラトプス
ススキティラヌスと同地層で発見された小型角竜です。
体長約3mで、額に角を持つケラトプス科として最古の恐竜になります。
ズニケラトプスはケラトプス科としては珍しく歯根が1つの歯を持っていますが、成長するにつれ変化して歯根が2つのものになっていったそうです。
ティラノサウルス“スタン”
この恐竜展の目玉、全長12mにもなるティラノサウルスの標本です。
スタン・サリクソン氏が発見したことで“スタン”というニックネームがついています。
保存状態がいい化石で、世界各地に30点ほどレプリカが展示されており、日本では国立科学博物館(⇒今は“バッキー”でした)や北九州市立いのちのたび博物館でも展示されています。
ティラノサウルスは全体的にがっしりした体型で骨も強大です。
大腿の筋肉が付着する腸骨が大きいです。
これは同等の大きさのギガノトサウルスなどより大きく、後ろ足が頑強に発達していたようです。
発見された“スタン”は傷だらけになっていたようで、他のティラノサウルス から付けられたと思われる傷を負っていたり、感染症にもかかっていたそうです。
ティラノサウルス“ジェーン”
2002年に北米で発見された11歳のティラノサウルス亜成体です。
ティラノサウルスは、若い年齢の時は華奢で後ろ足が長く、俊敏な捕食者だったようです。
足に同種間闘争によると思われる傷があり、それによる感染症から11歳で死んだと考えられています。
ティラノサウルス幼体
2歳のティラノサウルスの幼体です。
大きさは3m。
ティラノサウルスは14〜18歳くらいで急激に成長し、20歳くらいで成長が止まったそうです。
この急激な成長はアルバートサウルスやゴルゴサウルスなどの他のティラノサウルス類には見られない特徴です。
エドモントサウルス(頭骨)
白亜紀後期の北アメリカに生息した最大級のカモノハシ恐竜です。
大きさは全長最大13mになります。
エドモントサウルス(生体復元)
復元モデルにはありませんが、2013年に頭頂部にニワトリのような肉質のトサカがあったことがわかりました。
トリケラトプス(頭骨)
ツノが折れた上顎とフリルの標本です。
標本は口先からフリルの先まで長さ2.6mもあります。
アナトティタン(頭骨)
鴨のような口をした大型カモノハシ竜。
名前は「巨大なカモ」という意味です。
こちらもエドモントサウルスと同じくらい大きく全長約12mあります。
下顎に小さな歯が見えていますが、数百〜2000本ほどの歯が密集していました。
これはデンタルバッテリーと言って、カモノハシ竜と角竜類だけが持つ、独自の歯の並びです。
マイアサウラ
子育て恐竜として有名です。
最大9mほどになりますが、この標本は3mくらいでかなり小型。
直径1mほどの巣を作り、そこで子供に餌を与え守っていました。
せっかくなら巣のジオラマとか作ってほしかったですね。
恐竜博2019でも営巣地と一緒に実物が展示されていました。
おわりに
十年ぶりに恐竜展に行ってみましたが、興奮しすぎて疲れてしまいました。
1時間ちょっと館内をウロウロしているだけなのに体力いりますね。
でも、行ってよかったです。
やっぱり実物大の恐竜は迫力があって、観ているとホント鳥肌が立つほど興奮しますね。
どんなに精巧なフィギュアでも迫力では本物には到底かないません。
私自身まだまだ勉強不足で、解説プレートを観て「ふ~ん」てなっているだけのことも多いのですが、もっと生物としての恐竜について知識があれば、もっと深く違ったたのしみ方もできるんだろうなと感じてしまいましたね。
今度、博物館に行くときは少し勉強してから行ってみることにします。
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