トリケラトプス“ドイル”とは?
トリケラトプス“ドイル”は中国のPNSOから発売されている1/35スケールトリケラトプスフィギュアで、以前紹介したティラノサウルス“ウィルソン”と対をなす恐竜です。
“ドイル”という名前はこのフィギュアに付けられた固有名で、実際の種名や標本名ではありません。
しかし、造形は実際の標本から科学的根拠にもとづいて作られており、このシリーズには先に挙げたティラノサウルス“ウィルソン”のほか、スピノサウルス“エッシェン”、モササウルスなど有名どころの恐竜たちがラインナップされています。
トリケラトプス・ドイル(PNSO)レビュー
★★★★★(5点/5点)
サイズは頭から尻尾まで27㎝、高さは台座を含めて13㎝あり、PVC製です。
細かくてゴツゴツした皮膚の質感と、カラーも非常に複雑な多層パターンをしています。
ポージングはランニングスタイルで、右前足を蹴り上げて左に方向転換している様子を表現しています。
フィギュアは本体と台座に分かれ、右後足の裏の凹で台座と接続しますが、左前足と両後足の3点で台座なしでも自立します。
PNSOの1/35スケールシリーズは口だけが可動するようになっており、このフィギュアも口が開閉します。
口を閉じているとクチバシの先から耳横の突起まで分割線が入っているように見えます。
耳元まで口が裂けているような見た目は、昔の復元図のようです。
でも、口を開けるとちゃんと頬肉が存在します。
口の中には上下の顎に歯があります。
トリケラトプスの歯はデンタルバッテリー構造になっていて、200以上の細かい歯がおろし金のように並んでいますが、このフィギュアでも歯はしっかり作りこまれています。
角竜のフィギュアで、歯まで作られているのはけっこう珍しいんじゃないかと思います。
ティラノサウルス“ウィルソン”もそうでしたが、目が真っ赤で少しキャラクター感があります。
角は骨の回りを角質の層が覆って、太く頑丈にできていました。
この角で敵の懐に潜り込んで突き上げたり、角先で切るように攻撃をしたと考えられています。
昔は突進して攻撃をしていたと考えられていましたが、首や鼻先の骨が衝撃に耐えられないと考えられるようになったからです。
2.7mにもなる頭部の半分を占めるフリルは首の防御や、異性へのディスプレイに使われたと考えられています。
このフィギュアはフリルに目のような模様が描かれています。
重い頭を支えるため、足は頑丈にできています。
前足は甲が外側を向き、第2・3指に体重が乗るような構造をしています。
後足は中指にあたる第3指が一番大きいです。
後ろ足は前足ほど地面との接地面積が大きくないため、体重は前足のほうにかかっていたと思われます。
Laneと名付けられたトリケラトプス標本は、皮膚の様子が分かるミイラ化した化石でした。
この化石から、トリケラトプスの背中は鳥の足のようなモザイク状、お腹側はタイル状のウロコがあったことが分かりました。
さらに、繊維状のトゲもあったことが分かっていて、このフィギュアもそれを踏襲したデザインになっています。
台座は苔の生えた泥地を表現していて、トリケラトプスの足跡が2つ付いています。
ここにフィギュアを乗っけるのですが、右後足を乗せる部分に凸凹があり固定できるようになっています。
苔は緑色に濃淡があってよくできていると思いますが、土の部分は少しテカリがあってプラスチック感が出てしまっています。
でも、そんなに気になるほどチープではないです。
海外は箱に対する意識が低いのか、新品を購入したにもかかわらず、けっこうキズが入っていました。
角がつぶれているなんてのはマシなほうで、カッターで切りつけた跡のようなものもあります。
箱も含めて商品なので、もっと丁寧に扱ってほしいものです。
ティラノサウルス“ウィルソン”とトリケラトプス“ドイル”
対決構図にしたかったのですが、スペースの関係で横並びに。
おわりに
スピノサウルス“エッシェン”から、久しぶりのPNSO製フィギュアですが、相変わらず出来がいいです。
最新の研究結果を取り入れて作られているので、触ったり眺めたりして、とても勉強になりますが・・・せっかくなので、ティラノサウルス“ウィルソン”みたいに解説書も付けてくれると嬉しかったかな。
毎回レビュー前に、ネットや文献で恐竜を調べるんですが、いつの間にか皮膚の化石が見つかってたんですね。
トリケラトプスにトゲがあったとかこのフィギュアに出会うまで知りませんでしたからね。
私は10年以上前の知識で止まっているものが多くて、ホント毎回驚くことが多いです。
メジャーな恐竜でもどんどん新しい姿になってますから。
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