【恐竜展レポ】肉食恐竜2019(in熊本) 〜ミフネリュウ発見から40年

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート その他

2019年7月13日~9月23日まで熊本の御船町恐竜博物館で開催された『肉食恐竜2019』のレポです。

ミフネリュウの発見から40年ということで、国内を始め世界から肉食恐竜が集まっていました。

50点もの標本が展示されていて、ボリュームはなかなかのものでした。

今回はその中から全身骨格が展示されているものを中心にご紹介します。

ダンクルオステウス(頭骨)

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポートこれは恐竜ではなく、恐竜の時代より前に栄えた肉食魚です。

昔の図鑑ではジニクチスと表記されていました。

体長10mにもなる巨大魚で、強力なアゴで仲間を含めた他の魚たちをバリバリ砕いて食べていました。

カスモサウルス

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート特設展に入ったら一番最初に出迎えてくれる全身骨格。

体長は5mほどで、目と鼻の上にある小さな角と後方に長く伸びたフリルが特徴的な角竜です。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポートこの標本だと目の上の角があるのかよく分からないですね。

8000万年雨の北アメリカに生息していました。

プラテカルプス(頭骨)

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート全長7mほどのモササウルスの仲間。

円錐状のキバを持ち、魚やイカを食べていました。

2010年にプラテカルプスの尻尾がウミヘビのような尻尾ではなく、サメのような尾びれであったことがわかったため、のモササウルスの復元はこれをもとに三角形の尻尾を持つようになりました

トルヴォサウルス

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート今回の目玉恐竜の一つで、特設展のポスター恐竜でもあります。

ジュラ紀最大の肉食恐竜で、大きさは約10m。

研究者によってはティラノサウルス並みの12mにまでなったことを主張する人もいるそうです。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポートアロサウルス と生息時代・地域がかぶっており、体格で勝るトルヴォサウルスは、アロサウルス にすら襲いかかったかもしれないと考えられていて、実際にトルヴォサウルスに傷つけられたと思われるアロサウルス の恥骨が発見されています。

ですが、これはただ単にアロサウルスの死骸を食べただけの形跡かもしれないため、本当のところは分かりません。

メガラプトル

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート全長8mの大型肉食恐竜です。

最初に大きな爪が発見された際、ヴェロキラプトルのような足のかぎ爪と思われ、復元図も巨大なラプトルという感じでした。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポートしかし、今は大きな爪は前足の爪であることがわかり、アロサウルス のような姿で復元されています。

日本で発見されたフクイラプトルもこのメガラプトルの近縁種と考えられています。

カルノタウルス

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポートディズニー映画『ダイナソー』や『ジュラシックワールド炎の王国』、その他ゲーム等でも取り上げられ、知名度が肉食恐竜です。

全長は8mほどで、白亜紀後期のアルゼンチンに生息していました。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート名前は「肉食の雄牛」という意味で、その名の通り目の上に2本の角を持っています。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート体つきに色々特徴があり、腕が小さく、肘も無くて二の腕から直接4本の指が生えたような形をしています。

鋲状の皮膚の化石が発見され、羽毛はなかったことがはっきりしています。

尾大腿筋が大きく、すべての肉食恐竜の中で最速だった可能性があります。

アウカサウルス

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート2001年に記載されたわりと新しい恐竜です。

カルノタウルスと同じアベリサウルス科の仲間ですが、カルノタウルスよりやや小型(約6m)の恐竜で目の上にツノはありません。

大型竜脚類の営巣地で見つかったことから、巣にある卵や孵化したばかりの子供を襲っていたのではないかと考えられています。

イクチオベナトル

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート2010年にアジア初のスピノサウルス科の恐竜として部分的な化石が発見されました。

全長は約9mでスピノサウルスの半分くらいしかありませんが、肉食恐竜としてはかなり大きなほうです。

頭骨は見つかっていませんが、歯は円錐状になっていて縦に溝が入っていることから魚を食べていたと考えられています。

背中の棘突起が発達していて背びれのようになっていましたが、腰のあたりで切れ目が入っていて背びれが上半身側と尻尾側の2つに分かれるような形をしていました。

チレサウルス

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート2015年に命名されたチリの獣脚類で、大きさは2~3m。

ジュラ紀後期に生息していました。

チレサウルスは歯の形から草食だと考えらえれていて、ジュラ紀の獣脚類のほとんどが肉食恐竜だったことを考えると、かなり特異な恐竜だったようです。

アラシャサウルス

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート謎の恐竜だったテリジノサウルスの復元の元になった恐竜です。

全長3~5mで白亜紀のモンゴルや中国に生息していました。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート前腕に長く鋭い爪を持っていますが、草食の獣脚類です。

コンコラプトル

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート白亜紀前期のモンゴルに生息していた小型獣脚類です。

体長は1~2m程度で、卵泥棒と呼ばれるオヴィラプトルに似た恐竜です。

食性が不明で、草食あるいは虫なども食べる雑食だったようです。

こいつは復元ではなく、まだ土に埋まった塊状になっているので顔がよく分かりません。

ユタラプトル

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート最大全長7mにもなるヴェロキラプトルに近い恐竜の一つです。

1991年に米ユタ州で発見されたためこの名前がつきました。

熊本の御船町恐竜博物館の肉食恐竜2019のレポート20cmにもなる後ろ足の爪と長い腕を持っており、かなり強靭な、しっかりした体をしていたようです。

2014年に複数のまとまった化石が見つかったため、集団で狩りをしていた可能性が指摘されています。

終わりに

今回は御船町恐竜博物館の特設点『肉食恐竜2019』のレポでしたが、この博物館は常設で19体もの恐竜の全身骨格を展示しています。

今度はそちらもご報告しますのでお楽しみに。

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