★★★★☆(4点/5点)
プテラノドンは今から9000万年前、白亜紀後期の北アメリカに生息していた空を飛ぶ爬虫類(翼竜)です。
翼を広げると約8mあり、この大きな翼を使ってグライダーのように滑空して飛んでいたと考えられています。
4トントラック並みの翼長があるにもかかわらず、骨の中が空洞になっていたため、大きさの割に体重は10〜20kg程度と中型犬ほどの重さしかありませんでした。
筋肉も必要最小限しか付いておらず、映画『ジュラシックワールド』での劇中のように人間を足でつかんで空に連れ去ることはできなかったと考えられています。
後頭部のトサカと鋭いクチバシが特徴的で、恐竜にあまり詳しくない人でも“なんか見たことある”と思うほど有名で、たくさんの映画やゲーム作品に登場しています。
プテラノドン2019(Safari Ltd)レビュー
全体的なスタイルとしては、Papoや海洋堂などの最近の翼竜フィギュアでよくみる、地上を歩くスタイルです。
個人的には、やっぱり翼竜は飛んでいる姿を見たいのですが、台座や支柱なそのパーツが必要となるため、コスト面などを考えると歩行スタイルのほうがいいのかもしれません。
大きさは幅9㎝、奥行き11㎝、高さ9㎝と翼を閉じているせいか、あまり大きなフィギュアではないです。
顔は鋭いクチバシと、後頭部に伸びた長いトサカが特徴のロンギケプス型で作られています。
プテラノドンはもう一種いるのですが、そちらはステルンベルギと言って、斧のようなトサカを持っています。ステルンベルギの方がやや大きく、翼長は9mほどあります。
最近のフィギュアは口が可動するタイプが多いですが、このプテラノドンの口は完全に閉じたままです。
ちなみにこのフィギュアに可動部分はありません。
塗装はちょっと凝っていて先端になるにつれてオレンジから赤色に変わるようなグラデーションになっています。
目は白眼の中にポツンと丸い黒目が描かれている感じですが、割と生き物感があるんじゃないかなぁと思います。
左右で黒目の位置が違うため、微妙にその表情が違っているのは残念だったところ。
まぁ、かなり細かい部分の作業になるので欲を言えませんが、目の塗装でリアルさが全然変わってくるので、個人的にはきちんと丁寧に塗ってほしい部分です。
トサカは根本が茶色で、先端に行くにつれて一度オレンジになってから白くなるグラデーション塗装。
そして、その上にトラ柄が描かれています。
ここの塗装がすごく美しいです。
トサカは異性を惹きつけるためのディスプレイという説もあるので、そう考えるとこのデザインはなかなか鮮やかで美しいと思います。
塗装自体もすごくキレイではみ出しはありません。
最近の研究でプテラノドンにも体毛があったことがわかっていて、このフィギュアも茶色に塗られた首や背中は、羽毛の造形が施されています。
お腹側は白色に塗られており、ここにも羽毛が再現されています。
プテラノドンは海中の魚をエサとしていて、魚から自分が見えにくいようにお腹側は白かったのではないか考えられています。
カモメやアホウドリと同じですね。
地上を這っているため、翼は折りたたまれていて、その大きさはあまり感じられません。
翼の中に腕の骨が通っているところも茶色を濃くすることでうまく表現されています。
3本の指から骨が後方へ反り上がるように伸びています。
この骨はもともと4本目の指が長くなったもので、この指と足の間に皮の膜を作って翼にしています。
足の指は4本あります。
手の指もそうでしたが、つめ先は丸まっていて安全性に配慮している感じがしますね。
右の後ろ足が少し浮いているのでカタカタしますが、安定性には全く問題ありません。
尻尾はかなり短く、ちょこんと付いているだけです。
白亜紀の翼竜はプテラノドンをはじめ、ケツアルコアトルスなど大型化して尻尾の短くなった種が多いです。
おわりに
造形もさることながら、色がいいですね。
特に頭の色が鮮やかで美しい。
Papoのケツアルコアトルスを見ると、細かい皮膚の作りなどは負けているかもしれません。
左右の目線が少しずれていたり、手足の指先が丸まっているのでリアルさに少しかけますが、十分かっこいいと思います。
Safariは買ったことなかったんで、はずしたらどうしようかと思いましたが杞憂でしたね。
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