カルカロドントサウルスは中生代白亜紀(約1億~9500万年前)の北アフリカに生息していた史上最大級の肉食恐竜で、同時期に南アメリカ大陸に生息していたギガノトサウルスとは近縁種だったようです。
「ホオジロザメトカゲ」という意味で、まさにホオジロザメのような鋭い歯をしていたことからこの名が名付けられています。
この恐竜の化石が初めて見つかったのは1920年代ですが、第2次世界大戦の空襲で化石は全て失われてしまいました。
その後、1996年にモロッコでほぼ完全な形の頭骨が発見され、ようやく研究が進むようになりました。
体の大きさはティラノサウルスと同等以上の12~13mにもなります。
しかし、頭骨は空洞が多く軽量化され、体重は約4トンとティラノサウルスの6トンと比べるとやや軽いものでした。
食性は歯の形状から獲物の肉をそぎ落として食べる捕食者だったと考えられています。
カルカロドントサウルスが生息していた時代は大型竜脚類が多く生息していた時代で、自分より大きな体を持つ獲物を鋭い歯で傷付け失血させて、弱ったところを殺す狩りのスタイルだったようです。
カルカロドントサウルス・デラックス(collecta)レビュー
香港のcollectA社から販売されているカルカロドントサウルス・デラックス(1/40スケール)のフィギュアです。
全長は32㎝、重さは313g、PVC製で頭が長く、体も分厚くどっしりとした作りになっています。
前回レビューした同じcollectA社のスティラコサウルス・デラックスに比べて、表面は多少ゴム感があります。
ややテカリのある塗装のせいかもしれません。
ゴムっぽい感じでもフィギュア自体は固く、爪先などの細い部分を除いて曲がったり折れたりするような感じはしません。
頭と尻尾でしっかりバランスを取っており、台座が無いにも関わらずちゃんと自立します。
可動部分は無く、ガシガシ動かして遊ぶというよりは、飾って楽しむフィギュアです。
顔は鼻先が長く幅は薄いです。
顎もティラノサウルスのそれと比べると貧弱で薄っぺらい印象を受けます。
口は開いたまま可動せず、中には鋭い歯が並んでいます。
口の中の塗装はしっかり舌の部分と歯の部分で塗り分けられており、はみ出しは特に見当たりません。
舌や上顎の裏もしっかり造形されています。
正面から見ると顔の幅は薄く目は横向きに付いています。
目は白眼の部分も黒く塗られており、瞳がありません。
そのせいで表情が少し分かりづらく、動物としてのリアリティに少し欠ける感じがします。
顔の塗装は独特で、口の周辺は黒く、その上から白いラインが縦に入っています。
目の下は青で彩色されており、顔全体がカラフルです。
実際に青色や白色が入っていたのかわかりませんが、これはこれでおもちゃとしては鮮やかで面白いと思います。
動物としてはナシかも。
前足はティラノサウルス類と違って長くしっかりしていて、指先には3本の爪が付いています。
胴体はずっしり重そうです。上から見ても横幅があるのでガタイが良く見えます。
背中には頭から尻尾にかけて突起が3列走っています。
全体が茶色ベースになっていて、その上から黒の縞模様で塗装されています。
この黒い部分塗装は個体差があります。
手で塗っているからでしょう。
肉眼だと背中の茶色い部分がややテカって(塗装が薄いのかな?)チープな感じがしなくもないです。
表面の鱗はしっかり再現されています。
腹部も鱗状です。
ベージュに塗装されており、部分的にシャドウをかけて鱗一枚一枚がくっきり見えます。
味が出てとてもいいです。
足は胴体が大きいこともあり、少し短足気味に見えます。
爪は鉤爪というより蹄みたいな形です。
フィギュアとしては、このほうが自立するために接地のいい形なんだと思います。
2足で自立するため、大きな頭と長い尻尾でバランスを取っています。
collectA社のフィギュアはお尻の穴もちゃんとあります。
スティラコサウルスのフィギュアもそうでした。
おわりに
collectA社のカルカロドントサウルス・デラックスでした。
カルカロドントサウルスはティラノサウルスに匹敵する巨大肉食恐竜なのですが、研究が進んだのが最近ということもあって、世間の認知としてはまだまだマイナーな恐竜です。
この恐竜のフィギュアは他の会社から(多分)出ていないため、私のような恐竜ファンにとってはとても嬉しいです。
塗装がややチープな感じがしますが、30㎝以上とそこそこの大きさがあるため迫力もあります。
同時代の同地域に生息していたスピノサウルスも同じスケールで販売されているので、並べて対決シーンを再現してみると迫力が増していいかもしれません。
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