★★★★★(5点/5点)
中生代白亜紀(7000万年前)のモンゴルに生息した獣脚類で、名前は「刈り取りをするトカゲ」という意味です。
全身骨格は見つかっておらず、1948年に肋骨や不完全な後ろ足と一緒に2mの前足が発見されただけで、超巨大肉食恐竜やアリクイのような虫を食べる恐竜、亀のような恐竜などいくつか復元説がありましたが、近年中国で近縁種が発見され、その姿が明らかになってきました。
ちなみに日本でも北海道や熊本御船町、兵庫丹羽市でも近縁種の指や爪など部分的化石が発見されています。
また、メジャーな恐竜ではないですが、ゲームなどにも登場していてマニア以外にも知られるところとなっています。
1999年にはPlayStationゲーム、ディノクライシスではデイノニクスのような姿の肉食恐竜として、最近ではPSゲーム、Ark Survival Evolvedで手の爪が長い鳥脚類っぽい姿で登場しました。
テリジノサウルス(Papo)レビュー
今回はPapo社から2018年に発売されたテリジノサウルスのフィギュアレビューです。
なかなか大きく、奥行き、高さとも21cm、横幅が14cmあります。
約5,000円と高額ですが、ボリュームがあるのでそれなりに満足感はあります。
造形の細かさはパポ社なので言うまでもありません。
小さな頭に歯のないクチバシ状の口
あまり大きく開けることはできませんが、口は可動します。
テリジノサウルスは草食性で歯がないと考えられていますが、このフィギュアでは上下の顎に小さな歯が無数に作られています。
※草食と思われていますが証拠自体はなく、魚食性の可能性もあります。
大きく膨らんだ樽のような胴体
1988年に中国内モンゴル自治区で発見されたアラシャサウルスのほぼ完全な骨格により、ダチョウ型恐竜のような姿が明らかになりました。
大きさは推定8~11m 、体重5トンと大型です。
草食恐竜の骨盤をしており、お腹には植物を発酵させ消化するための長い腸が入っていたため、でっぷりとしたメタボ体型をしていました。
大きな前肢を持ち上げて重心を腰のほうへずらし、体を起こすような姿で歩いていたようです。
近縁種でテリジノサウルスより古いベイピヤオサウルスには羽毛の痕跡があり、このことからテリジノサウルスにも羽毛があったと考えられています。
地球史上最長のかぎ爪
最大の特徴である70cmのかぎ爪。
生前はケラチンで覆われて90cmになったと考えられています。
この爪は直線的で獲物を切り裂くのには不向きな形をしており、木の枝を引き寄せる、肉食恐竜からの防御など使い方には様々な説あります。
このフィギュアの爪は実際の長さの半分もありません。
安全性への配慮でしょうが、一番大事な特徴が再現されていませんでした。
長い腕は、鳥が羽ばたくように横に広げられる骨格構造をしています。
フィギュアの腕の広げ方も鳥っぽい雰囲気が出ています。
短くガッチリした後ろ足と尻尾
テリジノサウルスの祖先のベイピヤオサウルスは、親指が退化して普通の獣脚類と同じように3本の指を接地していました。
しかし、テリジノサウルスは退化した親指をもう一度進化させ、4本の指を地面に着けて歩くようになりました。
が、このフィギュアの足は普通の獣脚類のように親指が退化したまま、実際とは異なります。
尻尾はうぶ毛のようなふわふわした感じではなく、しっかり羽毛として再現されています。
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