★★★☆☆(3点/5点)
株式会社フェバリットから博物館限定で発売されているソフトモデルフィギュアです。
2016年に福井県立恐竜博物館で開催された「恐竜の大移動」で発売されたズケンティラヌスとシノケラトプスの二体セットで、以前レビューしたユウティラヌス・フアリと同じシリーズのフィギュアです。
造形師はおなじみの荒木一成氏です。
ズケンティラヌス・マグヌス
2009年に中国山東省諸城で発見された大型獣脚類で、名前は「非常に巨大な諸城の暴君」という意味です。
白亜紀後期に生息していたティラノサウルスの仲間で、体長11m、体重6トンになると推定され、2011年にタルボサウルスから「アジア最大の肉食恐竜」の称号を奪い取りました。
今のところ上下顎骨、歯、肋骨、尾椎など部分的に化石しか見つかっておらず、全身の姿は他のティラノサウルス科からの推測になります。
日本では2012年幕張メッセで開催された「恐竜王国2012」の中で、羽毛が生えた姿で披露されました。
フィギュアの大きさは長さ20㎝、高さ8㎝。
右後足の裏にある穴に台座の突起を差し込んで固定します。
カラーリングは黄土色をベースにグレーの縞模様とわりとベーシックな色あいです。
上顎の長さがこれまでアジア最大であったタルボサウルスの平均長を上回ったことから、アジア最大の肉食恐竜となりました。
ティラノサウルスの平均長よりはわずかに短いようです。
頭骨は一部しか見つかっていませんが、wikipediaによると “上顎の頬骨の下顎枝に皮下の突縁が存在せず、中央部の歯の根元を覆う内側に凸状の構造物も欠いている”などタルボサウルスや他のティラノサウルス亜科と違いははっきりしているようです。
左の鼻の穴があるのに、色が塗られていませんでした。
塗り忘れでしょうか?
フェバリットソフトモデルの造形や塗装の中で、一番雑なんじゃないかといつも思うのが歯の塗装。
だいたい歯茎と同じ色になっています。
ですが、今回のフィギュアはわりと歯がちゃんと塗られていて、白い部分が目立っていると思います。
ティラノサウルス類なので、目が正面を向くように造形されています。
ただ、右目がおかしな方向を向いていますが。
頭から後ろはティラノサウルス科をもとに、想像で造形していると思います、化石が見つかっていないので。
爪先は、前足も後足もちゃんと黒く塗られています。
後ろ足の爪の根本が塗られていなかったりしますが、めちゃくちゃ気になるほどでもないと思います。
フェバリットのソフトモデルは値段が安い割にはそれなりにボリュームがあり、造形も細かいのでけっこうお気に入りなんですが、このフィギュアもやっぱりいいですね。
皮膚のたるみやシワ、肩甲骨や腸骨のでっぱり、筋肉の走り具合が見て取れます。
塗装以外の最大の欠点ですが、製造から時間がたった個体は変形して自立できなくなっている可能性が高いこと。
台座があっても自立できなくなっているので、ひと手間かけなければいけません。
今回のものは、右足が右を向きすぎているうえ、左足が前に出すぎてしまっていたため、足の裏が水平に台座に接地していませんでした。
そこで、熱いお湯(80℃くらい?)に浸けてフィギュアを軟らかくしてから、台座に自立するように両足の位置を調整。
その後冷水をぶっかけて固める、という面倒な作業をしました。
文章で書くと簡単に感じますが、自立できるようになるまで微調整が必要で、何度も温めて冷やす作業をすることとなり、なかなかのストレスにはなりますね。
ネットショップのレビュー欄を見ると、自立しないと嘆いている方もいますが、こんな感じちゃんと元に戻るのでもし変形しているのを持っていたりしたら試してみてください。
シノケラトプス・ズケンゲンシス
ズケンティラヌスと同じく中国山東省の諸城で発見された角竜で、2010年にシノケラトプス・ズケンゲンシスと命名されました。
全長は6~7m、体重2トン。
頭は180㎝にもなり、鼻の上に1本の角を持っています。
ケラトプス科はほぼ北米に生息しており、アジアで発見されたものとしては2例目で、アジア最大級の角竜です。
そして、ケラトプス科はカスモサウルス亜科とセントロサウルス亜科の2種類に分かれるのですが、両方の特徴を持っており、角竜の進化の歴史を紐解く存在になるかもしれないと注目されてる恐竜でもあります。
エンタメ的な活躍としては、2018年の『ジュラシックワールド/炎の王国』に登場。
オーウェンの顔をベロベロ舐め回したり、火山弾から逃げる最中にカルノタウルスと戦うなど、まずまずの見せ場を与えられていました。
フィギュアの大きさは長さ10㎝、高さ6㎝。
左後足の裏に穴が開いていて、台座の突起を差し込むようになっています。
が、右前足と両後足の3点で支えているため、固定しなくても自立できます。
カラーリングは背中側がブラウン、お腹側がグレーと、地味ですがズケンティラヌスよりはメリハリのあるカラーリングになっています。
あと、ズケンティラヌスもそうですが、ややテカリがあります。
鼻の上に長く立派な1本の角があります。
よく見るとスジも入っています。
フリルのトゲは大きめで、前方にカールしたような形状をしているのもシノケラトプスの特徴です。
ちなみに、映画ジュラシックワールドのシノケラトプスのデザインはこのフィギュアとは少し違っていて、角は少し太く短めで、先端は折れたようなデザインになっていました。
また、フリルの中は2つの穴が開いた姿をしていました。
ズケンティラヌスに合わせて作られているので、全体的なボリュームは少ないです。
ですが、小さくなっても造形の細かさは変わりません。
やや左を向き、左足も後ろにけり出しているので、左に旋回しているポージングです
正面から見ると右側に体が傾いているので、左前方にズケンティラヌスがいるのでしょうか。
2匹を並べるとこんな感じ。
シノケラトプス6mに対して、ズケンティラヌスは11m。
2回りくらいズケンティラヌスが大きく見えますね。
1対1ではシノケラトプスが負けそう。
パッケージです。
正面は透明のフィルムがはられていて中のフィギュアが見えるようになっています。
裏面はシノケラトプスとズケンティラヌス、造形師の荒木氏の説明欄が設けられています。
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