★★★★★(5点/5点)
2019年6月に中国のW-dragonから発売された1/35スケールのスピノサルスのフィギュアで、見た目は完全にジュラシックパーク3に登場したスピノサウルスです。
W-dragonはティラノサウルスのフィギュアも、ロストワールドに登場したティラノサウルス“バック”をモデルに造形するなど、映画ジュラシックパークシリーズをかなり意識した造形になっています。
ワニのような顔は今も昔も変わらない
顔はワニのように面長で、この点は旧復元でも新復元でも変わらない点です。
口の先っぽの方は最近になって発見されましたが、頭骨の全体的なフォルムは昔から同じですからね。
今の復元と違うところは頭の上の鶏冠が無いところ。
スピノサウルス“エッシェン”を見てもらうとわかると思いますが、今では頭のてっぺんにトサカがある事が分かっています。
このフィギュアはトサカの代わりにアロサウルスのような目の上のコブがありますね。
ややチープでイラストみたいな目
目(瞳)のデザインはジュラシックパーク3のスピノサウルスと同じです。
ネコ目というか、ヤモリのような目です。
黒目の部分が黄緑色になっていて、ちょっとだけキャラ感を感じてしまいます。
口の中も丁寧な造形
口は開きっぱなしの状態で開閉しません。
歯は一本一本独立しています。
歯と口内の塗装はしっかり分かれていて、はみ出しはありません。
上顎の内側の造形も丁寧で、歯が歯茎に収まっている様子がわかります。
丁寧に耳の穴も作られています。
旧学説時代の2足歩行スタイル
今では後ろ足が短く、4足歩行していた可能性を指摘されているスピノサウルスですが、このフィギュアは後ろ足が長くティラノサウルスやアロサウルスのような姿です。
太もも、ふくらはぎも太く筋肉質ですが、重い体重を支えるのに納得しうるくらい足首から先も太いです。
ただ、映画よりも踵や足の甲がやや太めな感じもします。
完全な陸生なので水かきは無し
足の指の間に水かきはありません。
ごつい足先は黒く大きな爪があります。
このフィギュアは第1指の爪までしっかり造形、塗装されており、他の指に全く見劣りしない質です。
体表もワニのようなウロコ状
全身はウロコで覆われていて、特に後頭部や背中などは大きなウロコが並びます。
強力な武器になったであろう鉤爪。
硬くとがっているので指で押すと痛いです。
腕も太くて長いです。
ずーっと見ていると、人間の腕みたいに見えてきます。
肋骨の様子が分かるフィギュアも多いですが、このスピノサウルスはそれが分かりません。
なかなか肉付きがいいようです。
背びれの形もジュラシックパークスタイル
最近の学説に基づく背びれはフタコブラクダのコブのような形をしていますが、このフィギュアの背びれは単純に山なりの形をしています。
オーソドックスな形の尻尾
水棲4足歩行復元だとスピノサウルス“エッシェン”のように、尻尾もワニのような感じにしているフィギュアもありますが、こいつはスタンダードな尻尾をしています。
岩場をモチーフにした台座
金属の棒が立っていて、左足の足裏に刺してフィギュアを固定します。
ちなみに、台座が無くてもこのフィギュアは水平なところであれば自立できます。
台座の裏はフェルト生地になっていて滑らないようになっています。
化粧箱はただの段ボール箱
箱はただの段ボール箱でした。
これはちょっと驚きました。段ボール箱の中に化粧箱が入っているのかと思っていましたが、開けてみると梱包用のスポンジとイラストカードが出てきました。
ティラノサウルスのフィギュアにはちゃんと箱があったと思うんですけどね。
残念、箱ももうちょっとカッコいいものにしてくれたらよかったのに。
VSスピノサウルス“エッシェン”
PNSOの1/35スケールモデル、スピノサウルス“エッシェン”とのツーショット。
どっちもカッコいい。
ジュラシックパークスタイルのほうが強そうです。
顔も怖いですし。
おわりに
W-dragonのスピノサウルスでした。
レビューのところで書き忘れましたが、このフィギュアはけっこう重くて恐竜本体が935g、台座が268gあって、合わせると約1.2㎏あります。
PVCやレジンでできていて結構固いので、足に落とそうものならフィギュアも足の骨も砕けるかもしれません。
なので、ガラスケースなどに入れて、もし倒れても下に落っこちないようにしましょう。
さて、冗談は置いといて、このフィギュアはジュラシックパーク体型のスピノサウルスとしては、今のところ最高の出来じゃないかと思います。
めちゃくちゃカッコいいです。
色味が少し劇中よりも赤っぽい気もしますが、ほぼ丸々ジュラシックパーク3のスピノサウルスです。
価格が1万円前後と安いわけではないですが、ジュラシックパークが好き、あるいはスピノサウルスが好きなら絶対買いです。
コメント
はじめましてコメント失礼致します。
W-dragonのティラノサウルスとreborのティラノサウルス(killer queen)はお持ちでしょうか?もしよかったらレビューお願いできませんか?
こんにちは。
申し訳ない、W-dragonのティラノとReborのキラークイーンティラノはまだ持ってないんです。
手に入れたいフィギュアの1つなので、購入したらまたレビューさせていただきますね。
返答ありがとうございます。
W-dragonのロストワールド版ティラノサウルスの完成度に満足して、ジュラシックパーク版のティラノサウルスも欲しいと思いreborとw-dragonどちらにするか迷っていました。
もし入手されたらレビューお願い致します。
はじめまして
いつも楽しくレビュー拝見しております。
早速なのですが、NanmuとW-dragonどちらかのスピノサウルスの購入を考えております。Nanmuのスピノサウルスはお持ちでしょうか。レビュー拝見したいです。
また、どちらがオススメでしょうか。
こんにちは。
いつもレビューを読んでいただきありがとうございます。
Nanmu Studioのスピノサウルスは、まだ持っていません。
注文してますので届いたらレビューしようと思いますが、1か月くらい先になりそうです。
なので、どちらがおススメかというのは
片方しか持ってない現状ではなかなか言いにくいのですが、
Youtubeで海外のレビューを見た限りでお答えしますと、
口の可動がほしいならNanmu、そうでないならW-dragonかなと思います。
JP3のスピノサウルスとしての造形は、
どちらも甲乙つけがたいくらいハイクオリティです。
両者の違う点で好みがわかれるのでしょうが、
ザっと見る感じ下の5点かなと思います。
1.Nanmuは口が可動する。
口が可動すると表情に変化がつけられるので、楽しみ方の幅が広がります。
手に取って、間近でカッコよさを堪能するのであれば、静止画みたいなW-dragonより
多少遊べるNanmuがいいと思います。
2.Nanmuは体のパーツがやや小さい
同じ1/35スケールですが、W-dragonのほうが頭・腕・足・尻尾などのパーツがゴツく、
多少体格がいいです。
実際、長さは共に45㎝ですが、高さはW-dragon 20cm、Nanmu 18cmとなっています。
インテリアとして飾って、遠くから眺めるのであれば、
大きくてより見栄えがする(たぶん)W-dragonのほうがいいと思います。
※ちなみに私はこっち派です。
3.Nanmuは尻尾のつなぎ目が見える。
Nanmuのスピノサウルスは胴体と尻尾のつなぎ目が見えます。
ただ、ウロコやシワにできるだけ隠れるようにデザインされているので
1mくらい離れれば見えないと思います。
間近で見ても興ざめするほどのものではないですし、遠目ならなおさら問題ないと思います。
4.Nanmuは台座が無い。
両方ともPVC製で、熱による変形がありえます。
W-dragonは台座にピン固定しているので、多少変形しても大丈夫でしょうが、
Nanmuは完全2足歩行なので立てなくなるかもしれません。
お湯などで温めてやると変形を元に戻せますが、
またしばらくすると変形してくる可能性があり、
そのたびに元に戻す作業がわずらわしくなると思います。
そういった点ではW-dragonがいいです。
ただ、室内の温度管理がちゃんとできていて、
日光の熱を受けたりもしないのであれば、
ここはあまり心配する必要はないかもしれません。
5.模様はNanmuのほうがJP寄り
どちらもJPスピノの模様にそっくりですが、
Nanmuのほうがほんの少しJPに近いと思いますし、
色の濃淡がしっかり出ています(特に顔、鼻や目の回りなど)。
細かい模様まで気にされるならNanmuの方を選ぶといいです。
簡単ですが、おススメと両者の違い5点、参考になれば嬉しいです。
これからもレビューを挙げていきますので、応援よろしくお願いします。