ティラノサウルスは今から約6500万年前の北アメリカに生息していた、史上最大級の肉食恐竜です。
全長は約12m、体重約6トン、長く太い歯と巨大な顎を持ち、ジュラシックパークシリーズでも常に主役級の存在感を放ってきた、世界で最も人気のある恐竜です。
最近羽毛説が出て、でかいヒヨコみたいなデザインで多くのファンを幻滅させましたが、今の所羽毛があったのは幼体だけで、大人のティラノサウルスは鱗で覆われていたと考えられています。
ティラノサウルス“ウィルソン”レビュー
中国メーカーのPSNOから発売されたティラノサウルス“ウィルソン”(1/35スケールモデル)を見ていきましょう。
まずは全体的な造形です。
本体はPVC製で非常に硬く指で押してもほとんど曲がる感じはしません。
足の裏に穴が開いていて、ここに台座の出っ張りをはめこんで立たせます。
台座無しだと自立は難しいです。
顔はやや左を向いており、バランスを取るように尻尾は右側に流れています。
左足を前に踏み出した造形になっており、泥地を闊歩する様子が再現されています。
全体的な色はブラウン、お腹側はベージュで彩色されています。
では、次に各部を見ていきましょう。
頭は全身の大きさから考えるとやや小ぶりです。
頭が大きく縦にも分厚いジュラシックパークシリーズのティラノサウルスとは違った印象を受けます。
前から見ると目は正面を見据えており、獲物をしっかり立体視できるような顔つきになっています。
目は赤目の中に黒い瞳があり、瞳の周囲を黄色く輪がかかったようなデザインです。
かっこいいとは思いますが、赤目の動物があまりいないので違和感があります。
ここはワニやオオトカゲのような動物を参考に彩色したほうがよかったのではないでしょうか。
肌はしっかり鱗や角質が表現されており、ゴツゴツした固い印象を受けます。
顎は可動しますが、そんなに大きく開きません。
口には舌と大きく太い歯が並んでいます。
口内はしっかりピンク色に塗られており、歯や唇に色がはみ出したりはしていません。
歯もベージュ一色ではなく部分的に黒ずんでいたり、かなり丁寧に彩色されています。
ちなみに実際の歯は18㎝もあったそうです。
首は大きな頭を支えるために太く短いです。
シワもしっかり再現されています。
ティラノサウルスの特徴的な小さい腕には二本の鉤爪が付いています。
爪は体色に近いブラウン、あるいは黒に塗られています。
胴体は分厚く、ゴツゴツした体表をしています。
お腹のシワや血管などもしっかり再現されています。
背中は突起などがなくのっぺりした背中ですが、個人的には突起のある怪獣みたいな仰々しい背中よりもこっちのほうが好きです。
お腹側は背中側に比べ、大きな鱗と角質があります。
vitaeのギガノトサウルスにはお腹にメーカーの刻印がありましたが、こちらは何もないきれいなお腹をしています。
足は太く長いです。
爪も一本一本しっかり作られています。
細部の色合いも単色ではなく少しずつ色合いの変化が感じられます。
尻尾も太く長いです。
ブラウンとベージュが縞々柄を作るようにデザインされています。
鱗もちゃんと表現されています。
台座はところどころ苔が生えた泥地です。
泥にめり込んだ足型や朽木、岩に生えた苔が再現されています。
裏面は“PNSO”のメーカー名が書かれています。
恐竜のシルエットなどはなく簡素な裏面です。
プラスチック製だからか、あまり重くはありません。
ティラノサウルスを飾るうえで、この台座は少し問題があります。
それは、安定性がやや乏しいこと。
足の裏にはめ込む支柱の長さが短かめで、足の裏が台座にピッタリ固定されないんです。
足の裏と台座の間に隙間ができているため、フィギュアを立たせてしばらくすると、隙間があるほうに恐竜が傾いてきます。
モノによっては自立できず倒れるなんてこともあるようです。
アマゾンレビューや他の英語のレビューサイトを見ても同じようなことが書かれていたので、これは個体差ではなく設計の段階で問題がありそうです。
私のフィギュアも転倒はしないものの、少し体が右側に傾いていました。
台座と足裏の間に木工用ボンドを流し固め、隙間を埋めるようにして水平を保っています。
まとめ
ティラノサウルス“ウィルソン”のレビューでした。
安定性という問題があるものの、恐竜の造形自体は素晴らしいと思います。
皮膚の鱗や角質の表現も細かく、彩色も体のパーツごとに微細な色の変化が付けられていて、見ていて飽きません。
アマゾンで1万円で購入しましたが、十分値段以上の価値があり、私が思うにティラノサウルスのフィギュアの中では最高クラスの出来栄えだと思います。
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